復興への取り組み

2011年3月に起きた東日本大震災、そしてその後に引き起こされた東京電力福島第一原発事故の被害は、世界でも類を見ない深刻なものでした。
地震と津波、原発事故と風評被害の「四重苦」に苛まれたいわき湯本の街が復興するために、古滝屋では、館主の里見喜生が社員の先頭に立ち、さまざまな支援やボランティア活動に取り組んでいます。

16代目館主 里見喜生

震災時の物資拠点に

震災後のいわき市は、学校の体育館が避難所となり、主に福島県双葉郡から避難された方々が避難生活を送っていました。
古滝屋では、地域づくりの仲間と協力しながら水や食料の配給体制を整え、避難所の炊き出しにも参加。配給が行き届かない高齢者には、直接食料を渡してまわりました。

震災後2週間ほどたった頃から、救援物資が全国から集まるようになり、古滝屋のロビーはそれを受け渡す拠点に。SNSなどで積極的に情報を発信し、それを頼りに多くの人が訪れました。

ボランティアの宿泊場所、高校生の寄宿舎として

その後、若い世代の方を中心に全国からボランティアの人がたくさん来て下さるようになり、当館では1泊2,000円で宿泊だけの提供を行いました。
福島県教育委員会より福島県立双葉高校の寮・寄宿として受け入れてくれないかというお話がありました。
原子力災害によって高校生が高校生活を送れないというという状況を見て、土着企業である古滝屋の役割であると考え、これまで経験のない寄宿という形で2年間協力させていただきました。

Fスタディツアーの創設

被災者として、そして被災者を支援する側として、両方の立場を経験していく中で、被災者だからこそ感じた思い、伝えられる言葉があることに気付きました。

─あの日、何が起こったのか? 変わってしまったものは? 現在の状況とは?─

被災地のいまの姿を目に焼き付け、震災を機に生まれた新たな試みを体感してもらいたい。
そこから震災の教訓を学び、未来へつないで欲しいという願いから、里見とスタッフの2名が被災地を案内する「Fスタディツアー」というガイドプログラムを立ち上げました。

原子力災害で大きな被害を受けた双葉郡を中心に、約4時間かけて案内しております。
ガイドツアーは、震災後8年経った現在でも、多い月は130名を越える方にご参加いただいております。
福島の今に興味のある方はぜひ足を運んでいただき、福島を見て知って感じていただけたら嬉しいです。

Fスタディツアーの“F”の意味は、福島のF、双葉郡のF、ふるさとのF、future(未来)のF、fact(事実)のF。そして復興の”F“という意味が込められています。

このように古滝屋は、地域住民だけでなく、ボランティアやスタディーツアー参加者も集まり交流する場となり、復興の拠点ともいえる役割を担っています。
人に喜んでもらう身の丈にあったサービスをする中で、疲れた心と体を癒してもらうのが温泉旅館だと気付かされました。
これまでだれも経験したことのない、原子力災害からの復興と再生という困難な課題に、私たちは引き続き取り組んでまいります。

メディア掲載実績

新聞掲載

毎日新聞2014年2月15日号
2014年1月24日号
朝日新聞

WEBメディア掲載

月刊『住民と自治』2018年6月号

【インタビュー】福島県いわき湯本温泉 東日本大震災からの復興・再生をめざす温泉街の挑戦
https://www.jichiken.jp/wp-content/uploads/2018/05/article__0084.pdf